出雲石灯ろう

宍道湖の南側、松江市来待地区を中心に産出される来待石は、奈良・平安時代から利用されていましたが、江戸期に入ると他藩への輸出を禁じた「お留石」として珍重され、加工も城下の職人だけが許されていたと伝えられています。
石としては柔らかな部類ですが粒子が緻密なため粘りが強く加工しやすい来待石。ミクロン単位の細かな穴を持つため吸水性が良く苔がつきやすいのも特徴で、半年も屋外に置けばきれいな薄緑色の苔が石肌を覆い、まろやかながらも渋みのある出雲らしい雰囲気を醸し出します。
この来待石を使ってつくられる出雲石灯ろうは、雪見型、春日型など伝統的な意匠によく映えることから、和風の庭にしっとりとした古色風雅な趣を与えます。近年では伝統的な意匠のものに加えて、立方体の型をくり抜き大小の丸穴やスリットをあしらったモダンなスタイルの灯りや、焼き入れて備前焼のような風合いを醸し出した小品など、時代の好みに合わせた石灯ろうづくりも盛んです。
出雲石灯ろうは昭和51年に国の伝統的工芸品に指定されています。

下記の表は横にスクロールをしてご覧ください。

製造業者 住所 電話番号 HP
来待石灯ろう協同組合 〒699-0404
松江市宍道町東来待1644-1
0852-66-0274  

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