海士町の伝統銘菓「白浪(しらなみ)」は、和菓子屋「常盤堂製菓舗」店主の山中さんのお父様が昭和初期に命名し、以来70年以上にわたり愛されてきました。 きめ細やかな生地で自家製こしあんを包んだその味わいは、シンプルながらも奥深く、多くの人々に親しまれています。
現在、その味は隠岐桜風舎で働く伊藤さんや、作り手の濱家さんたちによって受け継がれています。
伊藤さんは、10年前に海士町へ移住し山中さん夫婦から製法を学び、手作りの温かみと地域に根付くお菓子の価値を大切に守り続けています。
さらに伊藤さんは、製造に加えておみやげ屋「つなかけ」の運営にも携わり、白浪の魅力をより多くの人々に伝える活動を展開。パッケージの刷新や新しい世代に向けた取り組みを通じて、地元のお菓子を未来へ繋ぐ挑戦を続けています。
このお菓子に込められた想いやその背景について、伊藤さんにお話を伺いました。
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島根県松江市が「御茶処」「菓子処」として知られる背景には、大名茶人・不昧公(ふまいこう)の存在があります。不昧公が提唱した、しきたりや形式に縛られない自由な茶の湯の精神は、お茶だけでなく和菓子にも受け継がれています。創業95年を迎える三英堂は、伝統を大切にしながらも、特別な場面だけでなく日常にも溶け込む和菓子づくりを目指しています。職人の手作業にこだわり、一つひとつ丁寧に仕上げられた和菓子。
現在4代目社長の岡 英介さんは、時代の変化に合わせた商品名やパッケージの刷新といった大胆な取り組みも進めています。
伝統と新たな挑戦が共存する三英堂についてお話を伺いました。
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江の川に面した島根県江津市桜江町。
この地は、室町時代から紙漉きが盛んな場所として知られ、江戸時代には浜田藩と津和野藩による石州半紙(せきしゅうばんし)の生産が地域の特産品として隆盛を極めました。特に「石州市山半紙」はその品質の高さで名を馳せ、藩の上納品として重宝されたと言います。
しかし、戦後の高度経済成長期を迎えると、紙漉きの需要が急速に減少。かつて数百軒あった職人の家も次々と廃業し、この地で紙漉きを続けるのは佐々木さんの伯父である原田宏さんの工房のみとなりました。その後佐々木さんが継ぐこととなり、6代目となりました。職人となり、30年以上になる佐々木誠さんに勝地半紙(かちぢばんし)の歴史と、和紙作品づくりの想いを、妻のみゆきさんにお世話をしている猫たちから生まれた作品についてお話を伺いました。
トップページ>職人たち>【石州勝地半紙】暮らしに寄り添う和紙の美
島根県江津市にある元重製陶所。
125年を超える歴史を持ち、江津の地で採れる土と伝統的な焼成技術を活かし、石見焼の製品を作り続けている窯元です。元重製陶所は、時代の生活様式の変化と共に主力製品を、石見焼として代表的な水瓶からすり鉢へとシフトし、さらにおろし器の製造にも挑戦しながら新たな市場を切り開いてきました。
一度は販売の難しさに直面しながらも、様々な出会いを通じて、オリジナルデザインのすり鉢を考案し、「もとしげ」ブランドの確立を目指しました。
現場に寄り添いながら職人の方々が作りやすい環境作りにも力を注ぎ、「もとしげ」の製品を江津市から国内外へと発信し続けている元重慎市さんにお話を伺いました。
島根県飯南町は、広島県との県境にある町。
森林が多く、また中国山地の多雪地帯でもあります。
古くから冬の農家の仕事として藁細工が盛んに行われており、昔から受け継がれてきた技術は現在のしめ縄作りにも活かされています。
飯南町では古くから出雲大社のしめ縄が制作されています。
出雲大社神楽殿で見ることができる大しめ縄も飯南町の大しめなわ創作館さんで制作されました。
しめ縄が作られている理由やしめ縄作りに対する思いについて大しめなわ創作館理事長の菅武志さんと、しめ縄職人の藤原健次さんにお話を伺いました。
【大しめなわ創作館】日本一の大しめ縄の里の記事はこちら
島根県出雲市にある高橋鍛治屋さん。
野鍛治という農具・包丁・刃物・五徳・行灯・花台等、生活に密着した道具を作っておられます。
出雲地方は、古代よりたたら製鉄が盛んであり、大蛇を退治した後に大蛇の腹から剣が出てきた「ヤマタノオロチ」伝説の元ともなった地域です。
この地方は鉄の産地として知られ、そこで生まれた鉄を使った鉄器づくりが盛んでした。
現在4代目の高橋勉さんは52歳から現在の仕事を継ぎ、挑戦を続けていらっしゃいます。
高橋さんにお話を伺いました。
【高橋鍛治屋】わかしの技術を残していくの記事はこちら
奥出雲町は、島根県の東南端に位置した自然豊かな場所。
最古の歴史書である『古事記』や『日本書紀』をはじめ、出雲地方には様々な神話が多く伝承されています。その中でも奥出雲は、素戔嗚尊(スサノオノミコト)の降臨や八岐大蛇(ヤマタノオロチ)退治の神話の舞台として知られ、神代の昔から神話や歴史が息づく土地です。
また、奥出雲は古くからたたら製鉄で栄えてきました。今でも、世界で唯一伝統的なたたら製鉄を操業し、日本刀の原料となる「玉鋼(タマハガネ)」を生産しています。
そんな豊かな自然と歴史に恵まれた奥出雲町にある簸上清酒さんは、1700年代前半・江戸時代中期の元号「正徳」のころに創業したと語り継がれています。
1910年には町内の三件の酒蔵が合併し、「簸上清酒合名会社」となりました。
歴史ある蔵元への想いなどについて、16代目次期蔵元である田村 浩一郎さんにお話をお伺いしました。
【簸上清酒合名会社】地元の米にこだわり、軸を変えない酒を造る の記事はこちら
島根県西端に位置する益田市。
市を縦断する清流「高津川」は過去には水質日本一に輝くなど美しい川として有名です。
また、柿本人麿や雪舟とも関わりの深い場所でもあり文化遺産も多く残されています。
そんな益田市に、素朴で可愛いお菓子「鶏卵饅頭」を創業当時から作っている有限会社鶏卵堂があります。
地元産の新鮮な卵を使い、昔から味と形を変えることなく作り続けていらっしゃいます。
代表的なお菓子、鶏卵饅頭について、またこれからの鶏卵堂についてお話を伺いました。
【有限会社鶏卵堂】創業の味を守り続けるお菓子づくり の記事はこちら
島根県にある隠岐諸島は、島根半島沖の日本海に浮かぶ離島で、
島ならではの豊かで雄大な自然や、悠久の歴史・伝統文化が息づいており、人気の観光地にもなっています。
そんな隠岐諸島最大の島である隠岐の島町に、人々愛される和菓子店「秀月堂」があります。
創業70年になり、現在2代目であるお父様と3代目の岡田宗之さんが和菓子作りをしていらっしゃいます。
一つ一つ丁寧に手作りで行う和菓子作りへの思いを伺いました。
【秀月堂】ホッと一息つかせてくれる和菓子づくり の記事はこちら
島根半島の北側、日本海に浮かぶ隠岐諸島は、豊かな自然や独特な歴史・文化が残る地域です。
そんな隠岐諸島の中でも最大の島である隠岐の島町では、古代から黒耀石が採掘され、矢じりや刃物などの道具として利用されてきました。
黒耀石は、火山から噴出した花崗岩質の溶岩が急速に冷やされたもので、磨くとガラスのような光沢があります。
特に隠岐のものは純度が高く、その美しさに定評があり、現在はアクセサリーなどの製品が作られ人気となっています。
現在黒耀石の採掘、アクセサリーの制作を行われている八幡黒耀石店の八幡さんにお話を伺いました。
【八幡黒耀石店】自然と歴史が紡ぐ黒耀石の魅力 の記事はこちら