しまねの職人

【令和シーフーズ】日本海の恵みを山陰浜田港から全国へ

〜浜田のアナゴの魅力を、より多くのお客様に〜

VOL.28

令和シーフーズ 田中 修司さん

島根県浜田市、目の前に日本海が広がる浜田港の水産加工団地で
アナゴを中心に水産加工品の製造・販売を手がけている『令和シーフーズ』

島根県はアナゴの漁獲量では全国1位を誇ることもあり、その半分近くが浜田港で獲れたもの。
浜田のアナゴはとても大型なのが特徴で、肉厚で脂ののりがよくおいしいのだとか。

そんなおいしいアナゴをはじめとする日本海の恵みを全国へ、世界へ——
浜田港と、そこで獲れる海の幸を愛してやまない代表取締役の田中さんにお話を伺いました。

令和シーフーズの沿革

令和シーフーズの由来を教えてください
令和2年(2020年)12月に会社を設立し、令和3年(2021年)3月に、アナゴを中心とした水産加工を46年間続けてきた前身の会社を事業継承しました。
令和に設立された会社ですので、社名は「令和シーフーズ」としました。
取引先様や従業員はそのまま引き継ぎ、経営陣を刷新して事業を続けています。

浜田港は浜田で獲れる魚を加工することで発展してきた港です。
その地場産業を受け継いできた会社を存続させて、浜田で獲れるアナゴというおいしい魚を引き続き皆さんに食べていただきたいという思いから事業を継承しました。

安心安全で美味しい商品への飽くなき探求

ものづくりで最も大切なことは
当たり前のことですが、まずは安心安全でおいしいものをお客様に提供したい、これが第一ですね。
浜田港で獲れるアナゴを自信をもってお届けするために、私たちも一生懸命に頑張っているところです。

浜田のアナゴを使ったおすすめの商品は
“焼あなご”と“煮あなご”がおすすめの商品ですね。
タレにはアナゴを捌く段階で出る頭から抽出したエキスを使っていますが、このタレだけでも十分においしく、ご飯にも合う商品になっています。
ちなみに食材のロスなくおいしい商品をお届けするため、 “焼あなご佃煮” や“骨せんべい”を作るなど規格外のものや端材に至るまで、食材は無駄なく利用しているんですよ。
アナゴの加工品に対するお客様の反応は
前身の会社では、各地の市場や卸問屋さんを通して全国のお客様の元へ届くという流れでした。
私が事業を継承してからは、地元浜田市内の飲食店やスーパーにも販売するようになりました。
これまで浜田市ではアナゴを食べる文化が、あまりしっかりと根付いていませんでしたが、お店で食べていただいたりスーパーで買っていただけるようになってからは、地元のお客様の「おいしい」という声をよく聞くようになりました。
新商品「あなごだし」の開発秘話
“あなごだし”は昨年12月に新商品として発売いたしました。
捌いたあとに残るアナゴの頭の煮干しを中心に、さまざまな原材料を調合して粉末にしたものです。
先ほどお話しました“焼あなご佃煮”はご飯によくあう商品ですが、さらにアナゴの出汁をかけることによって「アナゴの出汁茶漬け」のような感じを楽しめるということで、非常に好評をいただきました。
とあるテレビ番組で紹介していただいた際に、出汁の濃いものと薄いものと2種類の「アナゴの出汁茶漬け」をお出ししたところ、MCの方はどちらもペロリと食べられましたね。

出汁のペーストは簡単にできますが粉末にするのが難しく、そこは近隣企業と協力してやっていただいています。
粉末を紙の袋に入れた出汁パックになっていて、お湯を注ぐだけで出汁が取れるので便利です。
袋を破いて粉末を野菜に混ぜるとお漬物になりますし、ご飯に混ぜておにぎりの素に、また卵に溶いて出汁巻き卵にと、レシピは従業員の皆さんに頑も張って考案してもらいながら、商品とともに提供しています。
4人で1日1トンを捌く職人技と大型加工機械3台によるものづくり
アナゴはすべて職人の手で捌いています。
状態の良いものだけを選別して中骨や内臓の取り残しはないかなどをチェックしながら、手作業ではなく“手仕事”という矜持を持ってアナゴに向き合ってもらっています。
実はアナゴを捌くのは難しいんですが一番大事なところでもあって、スペシャリストの職人4人が明るく頑張って1日1トンものアナゴを捌いてくれているんです。
焼あなごは、1日4000尾を製造できる「スーパーヒーター(過熱 蒸気焼成機)」による焼成を行い、冷めても固くならずふっくらとした食感を楽しめます。
煮あなごは、1日2000尾を製造できる「大型高圧調理釜」で高圧をかけながらじっくりと加熱するため骨まで柔らかく仕上がり、調味液に漬け込んだまま加熱するので製品にレトルト臭が付きません。
加工後の凍結には1日8000尾に対応する「3Dフリーザー」を使って出来立ての製品を全方位から均一に冷却して旨味を閉じ込め、解凍や調理の際に水気が出たりパサついたりなどの品質の低下も防いでいます。
地元浜田の会社と連携したものづくりを展開されていますね
仕入れについては関連会社の福田水産を介して、浜田港で水揚げされるアナゴの約半分を納入してもらっています。
浜田で水揚げされる魚介類を有効活用しようと、アナゴ以外の材料では、例えばお正月のおせちに入れる海老などの食材の加工も行っています。
浜田港は水産業振興のために特に重要な港として特定第3種漁港に指定されており、浜田で揚がる魚介類を加工する会社が集まって水産加工団地を形成しているんです。
干物や佃煮、缶詰、瓶詰、レトルトなど、あらゆる加工技術を持った会社がありますから、そういった会社と連携して瓶詰めの“焼あなご佃煮”やレトルトの“あなご釜飯の素”、先ほどご紹介した“あなごだし”などを作ってもらっています。
私たちにはない技術を持った加工業者さんと協力しながら、新しい商品開発に取り組んでいるところです。

浜田漁港の未来を担う

若い世代に浜田の魚を食べてもらうために
浜田市の協力のもと、地元の魚やアナゴを学校給食のメニューに使ってもらっています。
また小中学校の社会科見学で、アナゴの加工工程を捌くところから見てもらったり、浜田漁港の歴史、水産物や漁獲量、どうやって皆さんの口に入るかといったことを伝える活動を積極的に行なっています。
地元の魚がこんなに綺麗な自然の中で育っていて、多くは生のままで食べることができるということを、子どもたちに知ってもらうことが一番大事ですし、食育にもつながるのではないでしょうか。
さらにいうと、食べてもらったり、作ってもらったりということも含めて体験してもらいたいですね。

令和シーフーズの今後の目標や未来について
浜田の水産物をもっと多くお届けしたいという思いがあり、アナゴ以外の商品も開発していきたいと考えています。
また加工品だけではなく鮮魚に近いものをフリーザーにかけるなど、新たな最終製品や輸出商品も開発したい。
そのためにクリーンルームを備えた新工場を造って会社の可能性を高め、会社を飛躍させていくことが私の夢です。
水産加工団地で水産業に関わるすべての会社で浜田港と漁業を盛り上げて、お客様も含めて関わるすべての皆さんが豊かになるように、頑張っていきたいと思っています。

令和シーフーズについて

島根県で有数の水産加工会社だけあって、まず工場の規模の大きさに驚きました。
大型の機械が備えられた工場内では、大勢の職人さんが手仕事に没頭されていました。

4人の職人さんで1日に1トンのアナゴを捌くという、その工程を見学させていただきましたが、
大きなアナゴがものすごいスピードで次々と処理されていく様子は、まさに職人技。
1匹あたりの所要時間は約10秒だとか…まるで早送りの映像のようでした。

調理の工程では、秘伝のアナゴのタレの甘く香ばしい香りに食欲を刺激されます。
おすすめの“焼あなご”と“煮あなご”は、香りはもちろん見た目も素晴らしくおいしそうでした。

商品は冷凍、冷蔵、常温の各タイプがあり、山陰土産にもぴったり。
オンラインショップやECサイト、道の駅、地元の「スーパーダップス」、「しまね海洋館アクアス」、「はまだお魚市場」でも手に入りますので、ぜひ浜田の海の幸のおいしさを味わってみてください。

商品ラインナップ

プロフィール

  • 令和シーフーズ

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