しまねの職人

【児玉製麺】麺一筋!創業100年の製麺所

~ヒノキ造りの乾燥室でSDG'sにも最適な出雲そば造り~

VOL.6

児玉製麺 児玉 隆さん

児玉製麺は、大正時代に創業し創業100周年を迎えた、出雲を代表する製麺所です。
蕎麦への熱い想いと笑顔が素敵な3代目、若い力で未来を担う4代目、
そして20名ほどの従業員が日々、名物の出雲そばを作り続けています。

麺の表面の滑らかさが特徴で、伝統を守りつつ、
ニーズや要望に合わせた商品開発も積極的に行っています。

出雲市にある製麺所、児玉製麺の3代目児玉隆さんにお話を伺いました。

児玉製麺の魅力

創業100周年を迎えてどのようなお気持ちですか
やはり嬉しいですね。お客様に選んでもらえているからこそ、ここまで続けてこられたのだと思います。20年ほど前、道路拡張工事の影響で今の場所に工場を移転しました。以前の工場より土地が狭くなったのですが、効率よく製品が作れるように動線を考慮して、自分で工場を設計しました。
これからも、買ってよかった、贈ってよかった、美味しかった!とお客様に思ってもらえる商品づくりを心がけていきます。
児玉製麺が作る製品の魅力を教えてください
原材料の蕎麦粉や小麦粉の特性をしっかりと活かしているところだと思います。原料選びから調合、そして試食まで必ず自分でやって、自分で判断を下しています。蕎麦粉や小麦粉は種類も多く、メーカーも何社もありますが、その中から吟味して、自社の商品にあったものをブレンドしています。
「五感を研ぎ澄まして丁寧に」という先代からの教えもあり、製造の際は最初から最後まで直接自分で確認するようにしています。特に麺は加水の方法や加水の量で味が違ってきます。その差を確かめるためにも、目で見て、手で触って、食べてみて、音を聞いて、そんな事を私達は大切にしています。
また、四季による味の変化をなるべく少なくするように配慮しています。

日本の伝統的な保存食「乾麺」そして秘伝の麺つゆ

出雲そば×SDG's
1年以上常温保存ができ、食べたい量だけ茹でれば食品ロスを減らすことができる。
乾麺はSDG'sに適した食品と言えるのをご存知でしょうか。乾麺は工場の特殊な機械で作る現代的なイメージがありますが、実は歴史が深く奈良時代にも売られていたという記録があるように、日本の伝統的な保存食なのです。
児玉製麺では代々その乾麺の質を高めるべく努力を重ねてきました。
初代は麺にカビが生えないよう、屋外で天日干しをすることで、早く乾かすことをしました。
二代目は、天日干しだとそばの香りが飛んでしまうことを危惧し、室内でじっくり乾かす方法へと移行します。
そして三代目は乾燥室を殺菌効果のあるヒノキ造りにすることで、じっくり熟成乾燥ができる環境を整えました。
こうして進化を続け、ゆでた時に香り高く、のどごしの良い乾麺が誕生しました。
早朝から深夜まで麺の状態を確認しながら、丁寧に仕上げています。
児玉家に伝わる「光枝ばあちゃんのめんつゆ」
お蕎麦の美味しさを何倍にもできるのが麺つゆです。
先代の家庭ではたっぷりの鰹節と煮干しを使った麺つゆを初代の奥さんが作っており、大変好評だったそうです。二代目の妻、「光枝」もまたお料理が好きで同じ素材を使い、さらに磨きをかけた深みのある麺つゆで家族や来客者をもてなしたそう。
しかし三代目の妻はその麺つゆを再現するのに大変苦労したそうです
試行錯誤し、つゆの業者にも依頼したりしてやっと秘伝の味といえるつゆが完成。
そのレシピは後世にも残すべく、「光枝ばあちゃんのめんつゆ」として商品化しました。
児玉製麺のお蕎麦にぴったりで、出雲特有の甘めの仕上がりになっていますよ。
児玉さんが思う、一番おいしい蕎麦の食べ方を教えてください
私は冷たい割子そばが一番だと思っています。
それから、蕎麦に限らず麺全体に言えることですが、とにかくたっぷりのお湯で茹でることですね。そして、吹きこぼれない程度に強火で茹でることが大切です。大きい鍋を持っていないご家庭では、麺を少なくして茹でるといいですよ!
いま興味を持っていること、また、今後挑戦してみたいことがあれば教えてください
食文化が違う海外で、蕎麦がどんなふうに食べられるのか興味がありますね。
例えば、ロシアやウクライナは世界でも有数の蕎麦粉の産地です。同じ蕎麦粉でも、あちらではクレープ状にして食べるのが一般的なんですよ。日本だとクレープは主に小麦粉を使います。国が違えば食文化も変わるので、自社の製品を海外の方がどんなふうに召し上がるのか、とても興味があります。
今も実際に、海外からオファーがあればサンプルを送るなどして輸出に力を入れています。
また、家族のカタチが時代の流れで変化しており、伝統は残しつつも、小人数向け、核家族向けの商品をどんどん開発するようなことも必要だと思っています。
また、例えば内容量は今までは400~500gが主流でしたが、今後は一人前の100gがちょうど良い時代が来るかもしれません。麺の長さのアレンジも必要かもしれませんね。鍋が小さいと長い麺は茹でにくいので。
このように、守るべき伝統は残しながらも新商品の開発は怠らず、時代の流れに合わせて進んでいきたいと思っています。

児玉製麺について

現在、蕎麦もうどんも、手うち麺、乾麺、生めん、茹で麺とさまざまなものが商品化されていますが、実は手打ち麺の次に美味しいのが乾麺なのだそうです。打ちたての一番美味しい状態で乾燥させるので、劣化も抑えられ、茹でることで美味しい状態に戻るとおっしゃっていました。
人の手で丹精込めて作られた児玉製麺の商品はショッピングサイトでも購入することができます。まだ食べたことがない方は、この機会にぜひその美味しさを味わってみて下さい。

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