しまねの職人

【3rdBarrelBrewery】クラフトビールを通して町を盛り上げる

〜木綿街道の新たな発信基地〜

VOL.14

3rdBarrelBrewery 新宮 清伸さん

昔のたたずまいを今に残す出雲市平田町の木綿街道は、
江戸から明治にかけて木綿の流通で栄えた町。

また醸造文化が根付いた町でもあり、
古くからの日本酒蔵、醤油蔵が点在しています。

2021年、日本酒、醤油に次ぐこの町の3番目の醸造所として、
クラフトビールの醸造・販売所が誕生しました。
その名も3rdBarrelBrewery、「3rd Barrel」とは「第3の樽」という意味です。

お店を切り盛りしている若手のお2人、
今回は醸造部の新宮さんにお話を伺いました。

3rdBarrelBreweryが取り組んでいること

島根でブルワリーをやることになったきっかけは?
出身は島根で、東京で働いているときに社長と知り合い3rdBarrelの事業に誘われたんです。
地元でものづくりをしたいと思っていたので、ビール造りの修行をしてこちらに帰ってきました。
平田では子供たちや町の人たちに応援してもらっていて、人の温かみを感じています。
Instagramのストーリーを活用の意図と反響は?
ビールの製造過程で出る廃棄物のモルト粕を、ホップの畑に肥料として散布するところをストーリーに投稿したのですが、ただビールを造るだけではなく、SDGsの視点や製造のプロセスも大事にしていること、畑の可能性や面白さが伝わればと思っています。
仕込みや瓶詰めなどの作業風景や、タンクや工場の洗浄風景も投稿したところ、古民家の中にステンレスタンクが並んでいることもあって、面白いと言っていただいています。
Instagramもかっこいいと褒められるんですが、社長のセンスのお陰ですね。
お客様の年齢層が20〜30代と若いので、Instagramではその世代に向けて発信しています。
業界初の販売×樽管理システムの導入について
ビールを飲食店に卸すときに使う樽はそのまま空樽で返してもらうんですが、管理が煩雑になって、紛失してしまうこともあります。導入した樽管理システムは樽の登録管理をバーコードリーダーで読み取り、樽の出荷先や状態などを一括して行います。
販売のECサイトを管理する販売管理システムと樽管理システムが一緒になって、在庫管理・販売・樽管理・発送まですべてを一元管理できるので、手間が省けてとてもありがたいです。
樽の取り扱いに困っているブルワリーは実は多く、このシステムを提案することもあります。
僕たちもこのシステムにはとても助けられているんです。

クラフトビールに込める想い

3rdBarrelBreweryのクラフトビールの魅力は?
クラフトビールが増えているなかで、おいしいのは当たり前のこととして、それ以外の部分で個性を打ち出していることですね。
例えばパッケージにこだわって、ビールによってラベルなどをデザインするアーティストを変えています。それとこの場所は、外観は古民家そのままで中は最先端という、空間としても面白い。
味ではない部分でも個性があって楽しめるのが、うちのクラフトビールの魅力だと思います。
ビール造りでのこだわりは?
いろいろな種類のビールを造り続けて、より良いものを造ること。
どれを飲んでも飲み疲れないし、どんな料理にも合うよね、というところに辿り着けるように、今あるものを造り続けながら、地を固めているところです。
今はフルーティなものを中心に造っていますが、その時によって変えています。
それから、新しいビールを造る際は、お客様とのコミュニケーションも大事にしています。
お客様と直接話して、好みや要望を教えてもらいながら造ることにこだわっています。
女性に人気があるビールは?
「Beam-びーむ-」というビールはすっきり爽やかフルーティで飲みやすく、女性に人気がありますね。
イラストデザインも人気で、ラベルを見て購入されるお客様もおられます。
どんなときに「嬉しい」「やっていて良かった」と感じる?
お客様に「楽しい」「楽しかった、もう一度来たい」と言われることが一番嬉しいですね。
ビールのおいしさ、デザインにこだわったパッケージや僕たちのサービス、それらすべてを社長がスタイリングしてくれたこの空間で楽しんでもらえるのがうれしいし、僕たちも楽しい。
ビールを購入して帰られるお客様にも、接客の際に飲み方を提案することで「楽しい」と感じてもらって、次につながったらうれしい。
「ここに来たら楽しい」からファンになってくれた人、そこからつながって他所から来てくださる人、
ビールの製造販売という枠を超えて、ここを原点にコミュニティの場が生まれているんです。
今後の夢、目標を聞かせてください
まだ駆け出しの身ですが、今あるものをより良くして定番を持ちつつ、3rdBarrelのファンを増やしていくことが一番の目標ですね。
3rdBarrelBreweryのビールはどこで販売していますか?
大田市の「リカーショップアンボア」や出雲市の「北村酒店」、松江市の「BHAVAN」などで瓶ビールを扱っています。もちろん3rdBarrelBreweryのオンラインショップなどでも販売しています。

3rdBarrelBreweryについて

かつて呉服屋だった古民家を再利用した風情ある建物が、町並みに溶け込んでいました。
一方、醸造所に足を踏み入れると、発酵タンクや貯蔵タンクなど最新の醸造設備がずらりと並び、実に近代的な光景。設備はとてもこだわりを感じるデザイン性にもすぐれている印象です。

今回は新宮さんにビール造りの極意を教えてもらいながら、丁寧な仕込みの様子を見学したり試飲をしたり、貴重な体験ができました。
クラフトビールに興味のある方は、木綿街道の観光も兼ねて足を運んでみてはいかがでしょう。
ビールの味についてあれこれ質問しながら選ぶ時間も楽しいと思います。

店先の壁には栓抜き、樽テーブルも置かれ、ここで瓶ビールや量り売りの生ビールを飲むことができます。

お店を切り盛りしている若手の新宮さんと安食さんの陽気でエネルギッシュなオーラ。
今回インタビューに応じてくれた新宮さんは、とにかく明るくて話し上手。
ラベルも含めて独創的なビールと、どこを取ってもお洒落な空間、そして彼らの人柄があいまって、人が集まり地域のコミュニティの拠点になっているんだなと感じました。

3rdBarrelBreweryがオープンしたことで新しい風が吹き込まれた木綿街道。
新しい発信基地として、ビールを通して町全体を盛り上げるべく彼らの挑戦が続きます。

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